速度の加算と減算
大陸横断鉄道がアメリカ大陸のある部分について10000kmの直線距離を
時速20km/hで走っていたとしよう。
とても長い列車の屋根には100kmの平らな道が敷かれていて、その上を歩いたり走ったりできるのだ。
例1
列車の上の道路にただ茫然と突っ立っている男
この男の対地速度は列車の速度と同じ20km/hである。
例2
列車の方向とは逆に列車に対して10km/hで走る男
通過点を過ぎてから1時間後の男の位置は
20×1-10×1=10
で
通過点から1時間で,
10km地面に対して移動したことになる。
したがってこの場合の男の対地速度は10km/h.
-----------------→ 20
←------- -10
--------→ 10
例3
列車の方向とは逆に列車に対して20km/hで自転車で走る男
この場合は
男は通過点にとどまり、対地速度は0km/h.
-------------------→ 20
←------------------- -20
0
例4
列車の方向とは逆に列車に対して50km/hの自動車で
この場合一時間後の男の位置は20-50=-30
で通過点前30kmの位置にある
したがって対地速度はー30km/h
----------------→ 20
←--------------------------------------- -50
←--------------------- -30
例5
列車と同じ方向に列車に対して10km/hで走る男
一時間後の位置は20+10=30 で通過点より
30km先の位置になる
したがって対地速度は30km/h
------------→ 20
-------→ 10
----------------------→ 30
例6
列車と同じ方向に列車に対して50km/hの自動車に乗る男
一時間後の位置は20+50=70km
この場合の対地速度は70km/hである。
以上をまとめると
列車の対地速度をVrとし男の列車に対する速度をVmとしたとき
男の対地速度Vmeは次のように表される。
Vme=Vr+Vm……①
以上の式をマッハ2で飛ぶ旅客機の中の音に適用してみよう
この場合旅客機内の音速をVo,旅客機の対地速度をVhとし
旅客機内の音の対地速度をVtとすると、①式に倣って
Vt=Vh+Vo...........................②
Vt=マッハ2+マッハ1
つまり船尾から船首方向の音は
マッハ3の対地速度になり
船首から船尾方向の音は
マッハ1の対地速度で位相が伝わることになる。
つづく